16.ウォーキングベースが弾けるようになりたい

私がジャズピアノの練習を始めて少したった頃の話です。 ものすごく気になることがありました。

それは、「上手な人」がソロピアノやレッスンなどで、ときどき見せてくれる技。 左手で弾くそれは、なんともオシャレで小粋な感じがしました。

ウォーキングベース

一般的に「ウォーキングベース」なんて名前が付いていることもそのとき知りました。 他に、「ベースランニング」なんていう呼びかたもあったような気もします。

とにかく何て言うか~よくジャズのベーシストが弾きますよね~ 「ボン、ボン、ボン、ボン」って。 もう、それだけで周りの空気を一瞬にして、「ジャズ」にしてしまうような。

こんなのをジャズピアノの上級者は、ピアノを使ってカッコよく弾いてしまうのです。 それも、「こんなの別にたいしたことじゃないよ~」みたいな顔で、なにげなく。

当時の私は「そうか、上手な人と自分との違いはこれなのか~」なんて。 そう思い込んでしまったら、どんなことをしてでもできるようになりたいのです。私は。 そして、またまた例のごとくジャズピアノの教則本で山を築くのでした。

でも、ぜんぜん載ってません。 載っていたとしても、ものすごくシンプルな説明だったりして。 少しだけ譜例が載っていても、こんなんじゃ全然分かりません。 まして、他の曲への応用なんて絶対にできそうにありません。 でも「できる人」ってのは、どんな方法かは知りませんが、練習したってことですよね。

教則本をパラパラとめくりながらいろいろ考えるわけです。 「ワザと載せないようにしているのか」とか「知ってはいけないのか」とか。 「何らかの大きなチカラが働いているのか」とか。 最後には「そのうち自然にできるようになるのかもしれない」とか。 そんな半分ほど諦めかけたときです。突然「あっ!」って。 そう、こんな何の才能もない超凡人な私でもヒラメくときはあるものです。

そもそも、このウォーキングベースっていうのは、ベーシストが弾くパートを、ピアノの低音部を使って弾いてしまおうってことですよね。 ってことは、「ベースの教則本を見りゃいいんじゃないの~」ってことです。 何で最初っからそこに気が付かないんでしょうか。 分かってしまえばどうってことないコロンブスの卵です。

ということで早速、楽器店の楽譜コーナーに直行です。 案の定いっぱいありました。 もう「ジャズベース」なんていう言葉がタイトルに含まれていたら、ウォーキングベースラインの作り方しか載ってないほどです。

で、私はそのなかの2~3冊を適当にみつくろって買ってしまうのでした。 複数冊買うってのは、教則本による些細な違いを多数決で解決していくという私のおなじみのパターンです。 どうせなら、全種類制覇の「大人買い」をしてもいいんですけど、これ以上教則本が増えてもね~しかもベーシストになるわけじゃないし~

ページを開くと、思ったとおり、ウォーキングベースラインの作り方がたくさん載ってました。 しかも、そうやって作ったベースラインの例もたくさん載っています。

でも「実際に演奏するベースラインには、このような決まりはありません」みたいなすご~く嫌なことも書いてあるじゃないですか~ それどころか、コードを単純に分散したパターンもたくさん載せているのに、「実際には、このような演奏をする人はあまりいません」って!おいおい。 えっ!練習曲なの?ベースのフレット上のコードポジションを覚えるための練習なの?

いやいや、私はですね~そんなことより、手っ取り早く「演奏する人が多いパターン」を覚えたいんですよ。 ベーシストになるつもりじゃないんですよ~ って言ったって、勝手にベースの教則本を見てるんだから誰にも文句は言えません。

「ルートを弾くことが基本」みたいなことも書いてあるのに、「それほどこだわる必要もない」みたいなことも書いてあったりして。 まあ「いろいろな人の演奏を聴いて研究しましょう」なんてぇのは、教則本の常套句みたいなもんだからいいんですけどね~

やっぱり、そうきましたか~多少の予感はありました。 私もダテに教則本をいっぱい持ってませんからね。 まず、ウォーキングベースに関する教則本が、こんなにたくさん出版されているってとこが、ものすご~く怪しいのです。 これって裏を返せば、弾きたい人は大勢いるのに、なかなか弾けるようになれないって言っているようなもんですからね。 まあ、これはジャズピアノにも共通して言えることなんで、すっごく良く分かりますけど。

しっかし、なんで教則本ってのは、どれもこれもいつもこうなんでしょうね~ アレもコレもって、たくさんの事を並べたてて、さあ練習しましょうって。 たくさんのことを教えたいって気持ちも分かります。 しかし、あまりにも初心者の根気を期待し過ぎです。 でも、もうちょっと何とかしていただいてもいいんじゃないかって思うんですけどね~

そう、例えば優先度をつけるとか~それだけでも結構助かったりするのです。 確かに、ぜ~んぶ大切な事かもしれません。 しかし、その中でも「コレこそは」ってのがあるはずなんです。

仕方ありません。そうなってないなら、自分でそうするまでのことです。

え~、いきなりですが、ここで一度、軽~くまとめま~す。

それでは、一般的な(というか、私が考えている)ウォーキングベースラインっていうのを、すご~く簡単に説明します。

1小節に4分音符を4つ弾きます。

4分音符を4つ

で、「何を弾くか?」っていうと、自由に弾いていいのです。 ということは「ベースによる4つの音を使ったアドリブ」と言えなくもありません。 でも、あまりに自由過ぎると、どこか違う世界に行ってしまったり、友達を無くしたりするかもしれません。

で、そこそこ無難なのが「コードに関係する音」ってことです。 そして、1小節にはコードが1つということも多いので、「コードを意識した4音」ってことになります。 まあ、こんなところでしょうか~ってことで、以上を基本中の基本とします。 これ以外にも、1小節に5つ以上弾いたり、1小節にコード2つというのもありますが、それはちょっと置いておきましょう。 やたらにバリエーションを増やしても、教則本と同じことになっちゃいますからね。

さて、それでは実際のところ「4つの音」に何を弾いたらいいのでしょうか? 自由っていうのが、イチバンの不自由だってことは、現代人なら誰でもよく分かっています。

そうですね~手っ取り早く、誰でも考え付きそうな、しかも多くの教則本にも載っているような最も簡単なパターンを使うってのはどうでしょうか?

簡単なパターン

どうなのでしょう~確かに間違っていないし、別にこれでもいいんですけどね~ さすがに、こんなのばかりじゃ~ウォーキングベースらしくありません。

それじゃぁですね~逆に「らしいってのはどんなの?」ってことです。 ってことで、私は、まず最初の取っ掛かりとして「らしい」パターンを探すことから始めました。 まあ、「探す」って言っても、そんな難しいことじゃありません。 もう雰囲気だけで「こんな感じ~」とか「あるあるぅ~」みたいな調子でいいんです。

よくあるパターン

そうそう、確かに全音や半音で段々と上がったり下がったりするイメージってありますね~ 「段々パターン」っていう名前にしてしまいましょう。

他にどんなパターンがあるでしょうか?

落下跳躍パターン

そう、いきない1オクターブ落下したり、5度上に跳躍したりすることもありますね。 これは「落下、跳躍パターン」なんて名前がいいんじゃないでしょうか。 2つまとめて「落跳パターン」ってことで~

もう、こんないい加減な名前だったら、も~いくらでも付けてあげられます。 そして、これらの「らしいパターン」から4つの音を選べば、それで出来上がりです。

ってことで、今回もいつものようにどうでもいいタワゴトがいっぱい書けたので満足です。 これからってところですが、ちょっと長くなりそうなので続きは次回に繰り越します。 多分、よりドロドロとした具体的な内容になっていくのでしょう。

というより、もう独断と偏見で、しかも思い切りよく、自分勝手に突っ走って行くって感じです。 ある意味、私の本領発揮というか独壇場とも言えるんじゃないでしょうか~

おまけに、私が実践した秘密?の練習方法も公開する予定でいます。 っていうか、この練習ノートは私の覚書なんで、それを載せなくてどうするって話です。

ということで、今回はここまで。

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