7.同じような位置で押さえてみよう

前回の「 E♭ ・ Cm7 ・ Fm7 ・ B♭7 」をテンションコードで押さえるっていうの、私も最初はすぐにできませんでした。 でも、こういうのは慣れてくればすご~く簡単なことです。 今では、どんなに寝ぼけていても、どんなにヘベレケでも軽くやっつけることができます。

おっと、その前に、とても大事なことを説明していないことに気が付いてしまいました。

最初の「 E♭ 」の部分です。 このトライアドは、どうしたらいいの?ってことです。

ジャズを少しでもカジったことのある人なら、このままトライアドで押さえるなんてことはしません。 この場合「 E♭maj7 」あるいは、「 E♭6 」を押さえるのが一般的です。

まあ、実際はこれらにテンションノートを加えたコードを押さえるってことなんですけどね。 譜面のどこにも書いていない「暗黙の了承」や、「お約束」みたいなことが、いっぱいあるのがジャズなんです。 この他にもこういったことはいっぱい、いっぱい、いっぱ~いあって、ジャズ界への初心者の侵入を拒んでいます。 でも、排他的とか、初心者いじめとか、意地悪なんて思っちゃダメです。 それだけ、選択の幅が広いってことなのですから。 つまり、演奏する人が自由にアレンジできる部分ってのが最大限にあるってことなのです。 最低限のルールさえ守っていれば、あとは何をやっても自由、それがジャズの魅力です。

でも実際の譜面では「 maj7 」のようにわざわざ指定してるところもあったりします。 何か区別でもあるの?ってことですが、 ジャズの曲集を見てみると、トライアドがイチバン最初に出てくる曲がだいたい5~6割程度でしょうか。

実は、このトライアドは「トニック」の機能を持っていることを表しているんです。 「 E♭ 」のように、メジャーだけじゃなくて、「 Cm 」のようなマイナーの場合も同じことです。

機能ってことで言えば、この「トニック」以外にも、「サブドミナント」とか「ドミナント」なんてのもあります。 それほど難しいことじゃないのですが、これを説明してると少し長くなりそうなので、別の機会にします。 まあ、知らなくってもジャズピアノは弾けますからね~それまで忘れて可!

「 maj7 」にするか、「 6 」にするかは好みの問題で、それに9thを入れればテンションコードの出来上がりです。

ここまでくれば、当サイトの「テンションコード一覧表」を参考になんとかなります。 っていうか、何とかしないとダメです。

では、改めて「 E♭ ・ Cm7 ・ Fm7 ・ B♭7 」を「 E♭maj7(9) ・ Cm7(9) ・ Fm7(9) ・ B♭7(9,13) 」として押さえてみましょう。

2パターン考えられます。 これも慣れてくれば、どちらでも同じように、しかも瞬時に押さえることができるようになります。

まず1つは、「 E♭maj7(9) 」を「3579」の転回形からスタートするパターンです。 3rdからはじまる転回形と7thからはじまる転回形を交互に使います。

7thからはじまる転回形

もう1つは、「 E♭maj7(9) 」を「7935」の転回形からスタートするパターンです。 先程とは逆に、7thからはじまる転回形と3rdからはじまる転回形を交互に使います。

3rdからはじまる転回形

当然のことですけど「E♭maj7(9)」を次のようにしても構いません。

E♭maj7(9)、5793

あるいは、

E♭maj7(9)、9357

本当は、次のコードにつながり易いような転回形を選択するのが良いのかもしれません。 でも、そんな厳密なもんじゃないし、だいたいのところ同じ位置で押さえりゃいいんですよ。

「ねっ!簡単でしょう~」って、だいたいの教則本は、このあたりで冷たく突き放して次に行っちゃいます。 その後、置き去りにされた初心者たちが「テンションコードが覚えられねぇよ~」って泣き叫んでいてもお構い無しです。 放置プレー好きには、たまらないものがあるのかもしれません。 まあ、そういう趣味の人は、その状況をしばらく楽しむってのもアリですけどね。

でも、ここで気が付く人もいるんですよね。 わざわざテンションコードを全て覚えなくても済む方法が~かなり楽な方法が~ ただし「基本コードを覚えている」って条件付きですけどね。 この練習ノートでは、そこまで書いちゃいます。

っていっても、当サイトは教則本でも教則サイトでもないし。 私も、先生じゃないし。 今までやってきたことを、ダラダラと無責任に書き連ねるだけです。

ということで、次回へ続くのでした。

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