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第2話 弱虫四天王ナンバー2の実力

「キャイン、キャイン、キャイン・・・キャイン、キャイン、キャイン」

その悲鳴のような鳴き声は、秋晴れの青空のなかに響き渡った。

 

それはちょうど、動物病院の専用駐車場で車の方向転換をし終え、車の窓を開けるのを待っていたかのように、涼しげな秋風とともに飛び込んできた。

「キャイン、キャイン、キャイン・・・キャイン、キャイン、キャイン」

動物病院には、先ほど運んだワンちゃん以外の患者さんは来ていない雰囲気だった。

 

玄関のガラスドアを押し、飼い主さんが出てきた瞬間、音量が倍になったような気がした。

「キャイン、キャイン、キャイン・・・キャイン、キャイン、キャイン」

「なんか大変なことになってますね」

多少の犬の鳴き声には慣れてる私でも、少し心配になるほどのレベルだ。

「本当に、弱虫で困っちゃいますよ」

飼い主さんは、すこし照れくさそうに笑いながら答えた。

 

「キャイン、キャイン、キャイン・・・キャイン、キャイン、キャイン」

弱虫四天王ナンバー2の実力

「キャイン、キャイン、キャイン・・・キャイン、キャイン、キャイン」

もう、これは絶対にひどいことをされているに違いない。

「本当に、付き添ってなくて大丈夫なんですか?」と言いかけたときだった。

そんな私の、気持ちを察したかのように飼い主さんは、「実は・・」と、ちょっと情けない表情をした。

 

「この病院の弱虫四天王って呼ばれているんですよ」

「しかも、その四天王のナンバー2なんですよ。本当に情けない」

 

「キャイン、キャイン、キャイン、キャイン、キャイン、キャイン、キャイン、キャイン、キャイン、キャイン、キャイン、キャイン、キャイン、キャイン、キャイン、キャイン、キャイン、キャイン」

それにしても、いよいよ大変なんことになったのかなと思ったとき、獣医さんの声が聞こえてきた。

 

「まだ、なんにもしてないよぉ」

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