22.ダイアトニックから生まれしものたち

ここ数回に渡り、メジャーとマイナーの全てのダイアトニックについてまとめてみました。 「全て」って言っても、たかだかメジャー1コとマイナー3コだけなんで、それほどたいしたことじゃありません。 と、今回もなんとなくマジメに始める練習ノートです。

なんか、「もっとニッチで、マニアックなこと何かないの?」なんて不満の声が聞こえてきそうです。

私だって、こんなどの教則本を開いても100%載ってるようなことやりたかぁ~ありませんよ。 でも、なんとなくこのあたりのことは、ちゃんと書いておく必要があるような気がするのです。 私なりに私自身の言葉でなんとか分かり易く説明できればいいんですが、できなければゴメンナサイです。

まあ、理論なんてのは、既にあることを理屈で強引にコジツケしただけのことです。 だから、矛盾もあれば例外だってたくさんあります。 そもそも音楽の良さなんてのは、理屈なんかじゃ説明できないことなのです。

と言うことで、気楽にやっていきましょう。 分かった気になることが大切なんです。

まず、楽譜に「 C 」って書いてあったらどう押さえるでしょうか? なんかこのフレーズ、過去の練習ノートにも何度か書いた覚えがあります。

ジャズでは、トライアドコードが記述されていても、「そのまま押さえない」ってのが暗黙の了承でしたよね。 まあ、「 C6 」とか「 Cmaj7 」として、それにテンションノートの9度なんかを加えて押さえるのが一般的だと思われます。

では、マイナーキーで「 Cm 」のとき、「 Cm 」っていうコードが出てきたら、どうやって押さえるのか?ってことです。 「 C 」と同じ要領で、そのまま「 Cm6 」とか「 Cmmaj7 」なんてのが予想できます。

その他に、教則本によっては、「 Cm7 」なんてのも使っています。

つまり、スケールが

  • ナチュラルマイナーだったら、「 Cm7 」
  • ハーモニックマイナーだったら、「 Cmmaj7 」
  • メロディックマイナーだったら、「 Cm6 」と「 Cmmaj7 」

が使えると言うことです。

それに、テンションノートの9度を加えたら出来上がりです。 実際には、6度とか7度を付けないで、トライアドに9度を加えただけってのも良く使います。 確かにこれなら、どのマイナースケールでもOKみたいなところもあります。

何だかこのあたり、教則本によって載っていたり載っていなかったりで、多少の偏りがあるような気がします。 「アヴェイラブルノートスケール」なんてことを言います。

つまり、「そのコードのとき、どんなスケールが使えるのか?」ってことです。

逆に言えば、「そのスケールを使うとき、どんなコードが使えるのか?」ってことでもあります。

メロディックマイナーしか載っていない教則本もあったりします。 で、他の教則本で「 Cm7 」とか使ってるのを見ると「何で?」って思うわけです。

このとき、マイナーダイアトニックが3コあることを知っていれば、こんなことで悩むこともありません。 でも、超初心者はこんなことでさえ頭を抱えちゃうワケですよ。 なんか、このあたりのこと、教則本を作っている大先生たちはもっと考えていただけると、すっごくありがたいんですけどね~

でも、なんかナチュラルマイナーって、あまり使われていないような気もします。 やっぱり、マイナー感がイマイチなんでしょうか。

と、ここで先に「チャーチモード」やっといたほうがいいかもしれません。

え~と、ダイアトニックスケールから、ダイアトニックコードが生まれました。

でも、そのず~っと大昔に、コードとか和音とかの考え方が無かった時代に、このダイアトニックスケールから生まれたものがありました。 「チャーチモード」なんて名前が付いていることから、たぶん何か教会と関係があったのでしょうね。 これについて詳しく知りたい人は調べたほうがいいかもしれません。

例えば、「ドレミファソラシド」を「ラ」からオクターブ上の「ラ」まで弾いてみると、なんとなくマイナーな感じになります。 これは、ナチュラルマイナースケールなので、あたりまえです。 しかし、同じダイアトニックの音なのに、弾き始める音によっては雰囲気が変わるというのはなんとも不思議なことです。

ということは、この場合「弾き始めに指定できる音」は全部で「ドレミファソラシ」の7つあることになります。

それぞれ、スケールとして名前があります。

チャーチモード

この場合のキーは「 C 」ですが、当然12キー(調)分あります。 つまり、あるキーの1度から始まるものを「イオニアン」、2度から始まるものを「ドリアン」のように言ったほうが良いかもしれません。

このスケールが生まれた当時、どのように使われていたのか私にはよく分かりません。 でも、どうやらこれらのスケールには、それぞれの機能があったようです。

例えば、イオニアンはトニック、リディアンはサブドミナント、ミクソリディアンはドミナントのような。 そして、スケールからはコードを作ることができます。

そもそもコードというのは、スケールのダイジェスト版というかアラスジというか、そんなものかもしれません。 というのも、コードを「ジャ~ン」って弾けば、そのスケールの持つ雰囲気が出せるからです。

コードの作り方としては、スケールから1コ置きに拾い出すってのが何だかバランス的に良さそうです。

ドリアンからDm7、ミクソリディアンからG7

だから、「 Dm7 」が「ジャ~ン」って鳴っているときに、ドリアンスケールを使ったフレーズを「タラタラ」と弾けば合うのです。

また、「 G7 」が「ジャ~ン」って鳴っているときに、ミクソリディアンスケールを使ったフレーズを「タラタラ」と弾けば合うのです。

この適当に弾くフレーズは、ドリアンだからといって「レ」から順に弾き始める必要はありません。 既に、「 Dm7 」が鳴ってるってことは、サブドミナントに機能する音が鳴っているということです。 その上でフレーズを弾けるのですから「ミ」でも「ファ」でも好きな音から、上でも下でも好きな方向に弾き始めていいのです。

これを説明するのに「ツー・ファイブ・ワン」を使ったほうが分かりやすいかもしれません。 キーがCだったら、「 Dm7・G7・C 」です。 この場合、Dm7では、ドリアンスケールが使え、G7では、ミクソリディアンスケールが使え、Cでは、イオニアンスケールが使えます。 Dのドリアンスケール、Gのミクソリディアンスケール、Cのイオニアンスケールは全てCのダイアトニックスケールと同じ音です。

「そんなの当たり前じゃないか~」って思うかもしれませんが、理論書なんかではこれだけでも何十ページ分かの内容です。

しかし、なんで同じダイアトニックスケールからできているのに、ドリアンだとか、ミクソリディアンだとか分けているのか?ってことです。 先ほど、それぞれのスケールには機能があるってことを言いました。 その機能は、ダイアトニックコードにもそのまま受け継がれています。

IIm7 である Dm7 はサブドミナント(正確には、サブドミナントの代理ってことになりますが~)、 V7 である G7 はドミナント、 I である C はトニックです。

特に、 G7 のドミナントは、ミクソリディアン以外にもたくさんのスケールが使えるのです。

一般的に、オルタードスケール、ホールトーンスケール、コンビネーションオブディミニッシュスケール、リディアンセブンススケール、ハーモニックマイナーパーフェクトフィフスビロウスケール、が使えます。

ドミナントで使えるスケール

しかし、イチバン最後の「ハーモニック・マイナー・パーフェクト・フィフス・ビロウ・スケール」ってのはなんなんでしょうかね。名前が超長過ぎです。 これをこのまま、フルネームで使っていたら、キーボードを打つのが面倒でしかたありません。 だから、教則本なんかでは、よく「 hmp5↓ 」って略しています。 私の持っているちょっと古めの教則本では、「ビロウ」の部分が「ダウン」ってなってるので、最近では「ビロウ」って言うのかな~ なんて思ってたら、最近出版された教則本でも「ダウン」ってなってるのがありました。 意味としては、「5度下から始まるハーモニックマイナースケール」ってことです。 ま~、名前なんてどっちでもいいですよ~ つまり、もっと簡単に言えば「CのハーモニックマイナースケールをGから始めました」ってだけのことです。 ただ、教則本によっては、ただ「ハーモニックマイナー」って書いてあるだけのもあるので、ちょっと注意が必要かもしれません。

それから、コンビネーションオブディミニッシュは「 com.dim 」って略して「コンデミ」って呼んでます。

ということで、ミクソリディアンスケールも、使えるスケールの1つに過ぎないってことなんです。

当然ですが、ミクソリディアン以外のスケールは、ノンダイアトニックノート(ダイアトニックスケールに無い音)が多数含まれています。 雰囲気を盛り上げるためのドミナントなので、平穏なダイアトニックノートだけでは、「つまんない」ってことなんでしょうね。

多分これらのスケールについては、そのうち詳しくテンションノートともあわせて説明することになると思います。 まあ、たかだか6コ、ミクソリディアンを除けば5コですから、たいしたことありませんよ。 ここでは、Gのスケールしか書いてありませんが、やはり12キー分あります。 ということは、60コってことになりますか~

う~ん、どうでしょうか~、まぁなんとかなりますよ~ こんな私ですら、覚えることができたのですから。 ということで、続きは次回といたしましょう。

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