9.テンションを覚えずにテンションを弾く

教則本っていうのは、まず「テンションノートはこれとこれで・・・」なんてところから始めるから嫌になっちゃうんですよね~ でも、「そんな理屈は後回しで、押さえ方だけ丸暗記しよう!」っていうのも、覚えることが多くなって、これまた嫌になっちゃうんですよ~ それじゃ~いったいどうしたらいいだ~ってことで。

今回は、「テンションノートを覚えずに、テンションコードが弾ける」ようになっちゃう夢?のような方法で~す。

当時の私は、ひたすらテンションコードをそのまま覚えようとしていました。 「え~と、Cmaj7はミから白鍵1コおき、Fmaj7もラから白鍵1コおきに~」みたいに。

でも、あるときに気がついてしまったのです。

Cmaj7(9)

「あれ~、このCmaj7のテンションコードって、Em7に似てない?っていうか同じじゃん」 「そういえば、Fmaj7もAm7と同じだし・・・」 「こ、こ、これは大発見だ~」って、も~ひとりでテンション上がりまくりです。(ことがテンションコードなだけに~って・・・)

「ってことは、わざわざテンションコードを覚えなくたって、そのコードの3度上のm7を押さえりゃそれで済むんじゃないの~」 まあ、正確に言えば「そのコードの構成音である3度をルートとするm7のコードを押さえる」ってことなんですけどね~。

「他のコードはどうだろう~Gmaj7は~っと、あ~これってBm7だ~」

つまり、理屈はこういうことだったのです。

分かりやすいように、Cmaj7で説明します。

Cmaj7(9)=Em7

「ってことは、他のコード、例えばm7とかでも、それと同じようなことがあるのかも~」 「え~と、Cm7のテンションコードは、こうだから・・・こ、こ、これは、E♭maj7だ~」

Cm7(9)=E♭maj7

「この場合は、♭3度上のmaj7を押さえればいいのか~」 「そう言えば、Am7のテンションコードを押さえたとき、あれ~とか思ったんだよな~Cmaj7だから」

「じゃあ、じゃあ、7は~、7はどうなんだろう」 「え~と、C7のテンションコードは、こうだから~」

C7(9,13)

「構成音が1、4、♭5、♭7だから、う~ん、3が無いな~ということは、sus4・・・でもないか~5が♭だし、ってことはダメか~」 「いや待てよ~C7のテンションを9だけにしたらどうだろう。13をはずして、5を入れて」

C7(9)=Em7♭5

「よし、これなら知ってる~え~と、これは~、Em7♭5ってことは、3度上のm7♭5を押さえりゃいいのか~」

「もしかすると、m7♭5もなの~」 「え~と、Cm7♭5のテンションコードは、こうだから~」

Cm7♭5=E♭mmaj7

「これは・・・確かE♭mmaj7だよな~、そう間違いない、♭3度上のmmaj7(マイナーメジャーセブン)か~」

ということで、これらをまとめてみました。

  • maj7(9) のときは、3度上のm7を押さえる。
  • m7(9) のときは、♭3度上のmaj7を押さえる。
  • 7(9) のときは、3度上のm7♭5を押さえる。
  • m7♭5(9) のときは、♭3度上のmmaj7を押さえる。

この4種類のテンションコードが押さえられたら、一般的な曲の中に出てくるコードの9割以上をカバーできるってことです。

例えば、「C・Am7・Dm7・G7」という、コード進行だったとします。 テンションコードなんて知らなくても、単純に基本コードで、「Em7・Cmaj7・Fmaj7・Bm7♭5」って押さえればいいのです。

実際は、転回形を使ってこのように押さえたりします。

基本コードで押さえる

つまり、基本コードさえ完璧に覚えていれば、超~簡単にできちゃうんですよ~

ただ、最初のうちは、C→Eとか、A→Cとか、D→Fとか、G→Bという変換がすぐにできないかもしれません。 でも、それぞれのコードの3度だから、比較的簡単なはずです。 というか、コードの3度とか7度を常に意識する癖をつけることは、ジャズにおいてとても大切なことで、いずれ絶対に役に立つことです。

曲集とか手元にあったら、ちょっとやってみましょう。 ただし、楽譜のオリジナルコードの上に、変換したコードなんか書いちゃダメです。 この練習では、「頭の中で変換しながらコードを押さえていく」ことが、とても重要なのですから。 私も、最初すご~く時間が掛かりました。 でも、「慣れ」っていうの恐ろしいというか素晴らしいというか、簡単にできるようになっちゃうんですね~これが。 だんだんと、変換していることさえ意識の中から消えちゃいます。

例えば「C」を見るのと同時に「Cmaj7」と「Em7」が連想できて、どちらでも瞬時に押さえることができるようになるんです。

それから、先を急ぐあまり基本コードを覚えずに、テンションコードだけをいきなり丸暗記というのはあまりオススメできません。 あくまでも基本コードが基本であり、それを発展させたものがテンションコードだと私は思うのです。

今回は「こんなこと、とっくに気がついてるよ~」なんて人も多いとは思います。 っていうか、このくらい気がつかないとダメですって!

ジャズの練習は、言われたことやって50点、言われないことやって50点、合わせて100点ですからね~

さて、次回はさらにディープな世界にお連れいたしましょうか~

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